小浜島で天体観測!星座を見る必需品は?【はいむるぶし星空ツアー】

小浜島は星座を見るのに最高の場所です!小浜島特有の星座の伝承やポイント、観測の為の必需品をご紹介!
※はいむるぶし星空ツアーでの解説内容をベースに、手元にある星座の本も加えて再編集しています。より詳しく知りたい方・観測したい方、はいむるぶし星空ツアーに参加してみてください!
※本記事では星空ツアーに参加できない人でも楽しんで観測して頂けるように、構成しています。

小浜島で星空観測!星座を見る必需品は?【はいむるぶし星空ツアー】~概要~

はいむるぶし等が位置する小浜島では、星座をキレイに観測することが出来ます。
街の灯りがほとんどなく、信号やコンビニなどもない為、周囲が暗く、観測に適した環境であることがその所以です。

実際、はいむるぶしの公式HPでは次のような記述を見つけることが出来ます。

八重山の星空の下、みなさまを星空旅行にお連れします
星空専門のガイドがレーザーポインターを使用し、八重山の星文化や宇宙の不思議などのお話を織り交ぜながら、旬の星座や星をわかりやすく説明します。
TBSの番組で、天文学者27名が選んだ綺麗な星空で全国1位に選ばれた八重山の星空。
リクライニングチェアの特等席にお座りいただき、みなさまを星空旅行へお連れいたします。
月夜には、月と星のツアーをお楽しみいただけます。

尚、この星空ツアーは大人1500円(5月)/2500円(6月~8月)、小人(6~11歳)1000円(5月)/2000円(6~8月)で参加することが可能です。
この星空ツアーは毎日催行しているものではありません。催行日程については公式HPをその都度ご確認ください。

以上の記述からわかるように、八重山の星空は全国1位!
その意味がわかるほどに素晴らしい星空観測が可能です。

小浜島で星空観測!星座を見る必需品は?【はいむるぶし星空ツアー】~詳細~

天体観測をする上で最も大事なことの1つは方角を確認することです。
北半球において方角を確認するための最もシンプルな方法は北極星を探すこと。

この北極星は地球の自転軸の天の北極に近いところで輝いている2等星です。
他の星と異なるのは自転軸に近いところに位置するため、地球の自転によって回転する量が非常に少なく、常に真北を示し続けます。
そして小浜島で観測するこの北極星、普段と違うところがあります。
それは、地面からの高さ。
先程述べたように、北極星は北の天頂に位置する為、観測者の北緯によって北極星の地面からの高さが変わります。
小浜島の北緯は約25度前後…ということで、地面からの角度が25度の位置に北極星が見えてきます。
これが北海道・稚内であれば北緯は45度30分で、より高い位置に北極星が見えることになります。
空で見るとこの角度が大きく違うことが実感できるので、是非この「低い北極星」を堪能して頂きたいと思います。

そしてこの北極星を見つける為の目印となるのが、メジャーな星の1つである北斗七星です。
北斗七星の器にあたる星のうち、側面部分の星2つの距離を5倍していった先に北極星を見つけることが出来るはずです。
またカシオペヤ座のM字の山型を5倍していくことでも北極星を見つけることが可能です。
北極星を挟むように北斗七星とカシオペヤ座が位置し、回転しています。

また北斗七星はおおぐま座を形成する星たちの一部であり、北斗七星の7つ星はおおぐまの尻尾の部分にあたります。
熊にしては尻尾が長いように感じますが、これはゼウスが大熊カリストを天に上げる際に尻尾を引っ張って思い切り投げたから、と言われています。
アルテミスやヘラの嫉妬を受けたカリストが大熊に変えられてしまった挙句、星座になっても”休むことなく北の空を駆け巡るように”させられてしまった…なんて話を思い出しながら見ると北斗七星を見る見方も少し変わるかもしれません。

更にこの北斗七星のひしゃくの柄の先から二番目の星をよく観察すると小さな星が二つくっついているように見えます。実際にこれは連星となっていて、お互いに影響を与えながら動いている星だそうです。
明るい星がミザール、暗い星がアルコルという名前がついています。
アルコルの別名はサイダクとも呼ばれ、”目試し”という意味があります。昔のアラビアではこの星が見えるかどうかを視力検査に使っていたから、なんだそうです。
一方、(星空ツアーのガイドさんによると)八重山地方でもこの星には古い言い伝えがあるそうです。

この星には「星女房」という民話が残っています。
昔、やいまに貧しい男が暮らしていました。畑仕事の帰りに寂しくなって空を見ていると、どこからともなく美しい娘が現れました。男の暮らしが貧しく悲しい身の上話をすると、娘は「助けるので私をお嫁にしてください」と言ってきました。「うちはとても貧乏だから、貴女のような美しい人を迎え入れられない」と男は言いましたが、女は男の家についてきてとうとう女房になりました。女房はよく働いて男をよく助けたので、二人の暮らし向きはよくなっていき、やがて赤ちゃんも生まれ幸せに暮らしていました。そんなとき男が泡盛を傾けながら、「ニシナナツボシ(方言で北斗七星のこと。この地方では「北」のことを「ニシ」と表現する)が一つなくなっている!」と男が気付くと、女は「その星は私なのです。そのことを貴方に知られては帰らなくてはなりません」と言い、女は赤ちゃんを連れて帰ってしまいました。その為、柄から二番目の星は赤ちゃんと女房が輝いている…と言われています。

地方によって色々な特色がある星であるということがわかりますね。
この連星は昔のアラビア人程の視力がなくても目を凝らすと二つに見えますが、一番簡単な方法は双眼鏡を使うこと。
双眼鏡を使うと簡単に連星であることがわかります。
こうしたお話に想いを巡らせながら双眼鏡を覗いてみてください。
はいむるぶし星空ツアーに参加すると、リクライニング付きの椅子に各自が使える双眼鏡が用意されていて、それぞれ自由に使うことが可能です!
はいむるぶし星空ツアーが催行していない、はいむるぶしに宿泊していない、そもそも住んでいる地域でも見たい…という人でも、双眼鏡さえあれば簡単に観測することが可能です。

北斗七星だけではなく、星空ツアーではその季節に沿った星座の解説を聴くことが可能です。レーザーポインターで示しながら解説して頂けるので、「どこ?」となることも少なく、親切に解説して頂けるので、初心者やお子さんでも充分楽しむことが可能です。
(お子さんによっては眠くなって寝てしまうことも充分考えられますが…w)
また別記事にまとめますが、(はいむるぶしのその名の通り)南十字星も観測することが可能です。

小浜島で星空観測!星座を見る必需品は?【はいむるぶし星空ツアー】~注意点~

小浜島をはじめとした八重山地方での天体観測の良いところの最大のポイントは灯りが少ないことです。
そして実は他にも良い点があります。
それは暖かいこと!

星空観測をしたことのある人ならわかるかと思いますが、天体観測の辛いところは夜しか活動する期間がありません。
そして大体冬のほうが観測に向いている為、夜間に長時間じっとして凍えながら見上げる…。
○○流星群の日に今か今かと流れ星を待ち続けるときなどは
なんという苦行なんとも言えない気持ちになってきます。
気軽に「星空見に行こう!」となったものの、寒さのあまりに不機嫌になってケンカになる男女とか絶対いると思う

そうしたことが、この八重山地方ではほぼありません。
暖かく、穏やかな日の多いこの地域では贅沢な星空観測が可能です。

とは言え注意点がないわけではありません。
それは虫。特に蚊です。

元々自然を大切にしている地域なので、虫よけの薬の散布などは殆ど行われていないそうです。
冬以外、蚊が飛ぶ期間も長いので、自分で虫よけを塗っていくしかありません。
暑い昼間は活動を抑制しているのか、日没後になると急に数多く飛んできます。
虫に刺されやすい方は虫よけや、薄手のタオルなどで手足をガードするようにして観測を楽しんでください。

小浜島で星空観測!星座を見る必需品は?【はいむるぶし星空ツアー】~まとめ~

はいむるぶし星空ツアーへの参加をベースに、小浜島で星空観測するためのポイントをご紹介してきました。
小浜島ならではの北極星の位置やその季節ごとに楽しむことの出来る星座を一通り楽しむことが出来ます。

星空観測をするのに一番適しているのは、新月の時です。
満月やその前後となると、月が明るい為に他の星の輝きを感じることが難しくなってしまいます。
一応、満月の時期でも、その時期の主な星座や2等星以上の星であれば観測することは充分可能です。
「折角予約してきたのに、満月だった!」と嘆くことなく、一度星空をご覧になってみてください。
新月の時期であれば、星雲や細かな星たちを観測することも出来るようです。
(多すぎて、所望の星座を見つけるのに少し苦労するかもしれませんが)

小浜島では南十字星も観測することができるので、小浜島へお越しの際は是非一度星空観測を行ってみてください。